「＠ランチャー」は、多彩な機能を備えながら、操作性にも十分配慮されたシンプルなボタン型ランチャ。タイトルバーがなく、角のない外観が印象的なメイン画面には、左側に各種機能を呼び出すための「＠」ボタン、右側にはアイテムを登録するためのボタンが配置されている。アイテム登録用のボタンは10個あり、ページ切り替えで20ページ分を使用できるようになっているため、最大200アイテムを登録することが可能だ。アプリケーションだけでなく、ファイルやフォルダをアイテムとして登録することもできる。切り替え用のボタン、マウスホイールのスクロールでページ切り替えを行えるほか、直接ページを指定してジャンプすることもできる。

アイテムの呼び出しはボタンクリックで行うのが基本的な使い方だが、アイテム名をキーボードで入力して呼び出す、コマンドライン型ランチャのような使い方もできる。また、アイテム登録時に「ARN」というファイルを作成すれば、ワンクリックで複数のアイテムを同時に開くことも可能だ。

アイテム数が増えてくると、どんなアイテムを登録したのかわからなくなることがあるが、こうした場合には「全ての登録ファイルを見る」機能が便利。全登録アイテムが一覧表示され、このリストからアイテムを開くことができる。

ランチャ本来の機能に加え、多彩なファイル操作機能を備えているのが特徴。「登録アイテムを含むフォルダを開く」は、他のランチャにもよく見られる機能だが、「＠ランチャー」では登録アイテムとは関係なく、任意のフォルダやファイルを開くことができ、またファイル（フォルダ）を任意のフォルダへコピー・移動したり、任意のドライブへアクセスしたりすることもできる。ファイルの圧縮・展開、自己展開書庫の作成、分割・結合といった機能もある。

さらに、システム関連の機能として「ウィンドウの並び替え」「最近使ったファイルの削除」「ゴミ箱を空にする」「コントロールパネルを開く」「メモリ管理」などを行うことも可能。変わったところでは「オーディオファイル/CDの再生」機能もある。

といっても、雑多なツール類を寄せ集めたといったものではなく、ファイル操作やシステム管理といったOSに近い部分を扱う機能を集めたもので、いってみれば「ランチャ＋簡易ファイラ＋α」といった趣のソフトだ。わざわざ専用のファイラを起動しなくてもちょっとしたファイル操作はできてしまうし、アーカイブファイルの圧縮・展開もできるので便利だ。

ランチャとしても注目したい機能はいくつかある。「全ての登録アイテムを見る」や「登録名を指定して起動」などがそうで、特に「登録名を指定して起動」は個人的にとても感心した。何かアプリケーションを起動しようとしたとき、手がマウスの上にあればマウスで、キーボードの上にあればキーボードで即座に起動できると非常に使いやすい。この環境を手に入れるために、マウス用ランチャとキーボード用ランチャを両方とも常駐させている人もいるかと思うが、「＠ランチャー」ならそれもひとつですんでしまうわけで、地味といえば地味な機能だが、これはお勧め。

ひとつだけ注意したいのは、「アプリケーションの起動」という機能で、ここでは「エクスプローラ」「スキャンディスク」「デフラグ」「メモ帳」を開けるようになっているが、現バージョンでは、Windows NT/2000系の環境では「スキャンディスク」「デフラグ」は起動できない。Windows 9x系の環境では問題なく起動する。

ランチャというものはインターネット上ではあふれるほどありますが、自分に合ったもの、シンプルなものを見つけることができませんでした。そこで自分仕様のランチャがほしくなったのです。

この「＠ランチャー」を開発するのにもっとも苦労したところは、どれだけ使いやすいインタフェースにするかということです。できるだけシンプルに。ちょっと高度なことでもわかりやすい操作でできるように。それでいて、機能は豊富に……。こういったユーティリティソフトというのは人が使って、はじめて価値が出るものです。使えなければ意味がない。

ユーザにお勧めしたい使い方ですが、登録したファイルが置いてあるフォルダを簡単に開く機能があります。何気ないもののような気がしますが、実はファイルの置いてあるフォルダというのは案外アクセスすることが多いのですね。この機能は使うと本当に便利で、私はこの機能を手放すことができないんです。あと、「＠ランチャー」の色などを変更することができますし、アイコンのサイズも大きいサイズか小さいサイズかを選ぶことができます。皆さんのお好みでいろいろ「＠ランチャー」を変えてみてください。