豊富な辞書を持ち、高い変換精度を誇る日本語入力システム「ATOK17」を備えたワードプロセッサ。日本語文書を作成するためのさまざまな支援機能を提供する。「一太郎2004」は、日本語処理に定評のあるワープロソフトの定番「一太郎」の最新バージョン。今回から通しナンバーではなく、発表年でバージョンを表すようになった。日本語入力システム「ATOK」も最新の「ATOK17」を搭載するなど、“考えるための道具”に進化した。
「一太郎2004」では、新たな作業モードとして「アウトラインスタイル」と「マルチビュー」が追加され、従来の「基本編集」モードに加えて、3種類の作業モードから最適なものを選択できるようになった。また、複数の文書から共通の項目を抜き出せる「文字抽出」機能や、文書に電子署名をつける機能なども新たに搭載。文書作成に役立つ情報を表示する「ナレッジウィンドウ」や「文書校正」機能も大幅に強化された。
新しく追加された作業モードのうち、「アウトラインスタイル」では、3段階のアウトラインレベルに直接入力することができる。レベルの変更は、マウスによる移動で簡単に行える。特定のレベル以上の段落だけを表示したり、段落を折りたたんだり、展開したりといった操作も可能だ。「マルチビュー」は、ひとつの文書の見え方を三通り作れるというもの。段落ごとにA/B/Cのビュータイプで見せるものを指定する。マルチビューを使うと、利用目的や文書を見せる相手によって絞り込んだ情報を提示できるようになる。これに「基本編集」を加えた3種類の作業モードの切り替えは、メインウィンドウ左側に表示される「シンキングバー」により、ワンクリックで行える。
ウィンドウ右側には、文書作成のためのさまざまな機能を呼び出したり、参考になる情報を表示する「ナレッジウィンドウ」を表示させることができる。ナレッジウィンドウには、
- ヘルプ・FAQ
- Webページや他文書の参照表示や文字変換ができる「ナレッジ」
- 図形や部品を挿入できる「図で表現」
- 編集中の文書を校正する「文書校正」
などの機能が、選択中の作業モードに応じて表示される。切り替えはタブで行える。他の文書との連携も可能。例えば、ナレッジウィンドウのブラウザにWebページを表示させると、Webページの一部を簡単に「一太郎」文書に取り込める。ブラウザ上で文字列を選択し、編集文書上にドラッグ&ドロップすれば、選択文字列とともにWebページのタイトルやURL、ページのサムネイル画像が文書に挿入される。また、ナレッジウィンドウから他文書を参照すると、参照文書で文字列のコピーなどの操作を行った場合、自動的に親文書にフォーカスが移り、そのまま貼り付けられる。
さらに「Microsoft Word」「Microsoft Excel」「Lotus 1-2-3」ファイルの読み込みにも対応。特にWord文書との互換性が強化され、編集文書をWord形式の文書に保存することもできる。ファイルの読み込みでは「Excel」などの表計算ソフトの文書は「一太郎」文書に変換されて読み込まれるが、「一太郎ワークシート」を使うことで、「一太郎」文書のシートとしてExcelファイルをそのまま組み込むこともできるようになっている。
日本語入力システム「ATOK17」にも新機能の搭載や機能強化が図られている。入力語から連想される別表現を候補にできる「連想変換」機能が新たに搭載されたほか、方言では「話し言葉中部北陸」モードが追加された。さらに、文書校正機能にも「くだけた表現」をチェックする機能が加わった。
印刷機能では、32社7,000種以上のタック/ラベル用紙に対応。1枚の用紙に複数ページを印刷する「レイアウト印刷」、複数の用紙を組み合わせて印刷する「ポスター印刷」「垂れ幕印刷」、版下作成のための「トンボ印刷」など、多彩な印刷を行える。原稿用紙書式では、罫線を文書と同時に印刷することが可能だ。