Macならではの使い勝手を追求してきた「宛名職人」の新バージョン。今回の改良点では、フルスクリーンおよびマルチタッチジェスチャーへの対応と、「連絡先」アプリ(旧・アドレスブック)との連携強化が大きなポイントだ。宛名データは(「連絡先」を介して)iOSデバイスとも同期できるので、「連絡先データの入力はiPhoneで行い、住所録の印刷は『宛名職人』で行う」という使い方も便利だろう。最もMacアプリらしい特徴的な機能が、キーワードや条件を任意に設定しておくことで、宛名レコードを簡単にグループ分けできる「スマートグループ」だ。宛名カードを個別の箱に分けてしまうのではなく、カードの束はそのままで、いつでも抽出できるようにタグ(しおり)をつけておく感覚だ。タグはいくつでもつけられるので、同じレコードを複数のグループに登録できる。ちょうどiTunesのプレイリストに似た発想で、膨大なレコードの中からそのときに必要なカードをすぐに見つけられる。さらに住所録一覧では、新たに重複した宛名、未分類の宛名だけをチェックする機能も加わり、使い勝手が向上している。
モノトーンを基調とした操作画面は、ほかのはがき作成アプリケーションとは一線を画するシックなデザイン。「はがき作成にもMacを使いたい」というすべてのユーザに自信を持ってお勧めできる一本といえる。
(坂下 凡平)