Windows用のアプリケーションは、基本的にインストールしたパソコン以外では起動できないというのが原則。この縛りをなくし、さまざまなパソコンで利用できるようにしたものは特に「ポータブル版」などと呼ばれるが、「Cameyo」を使えば、いろいろなアプリケーションをポータブル化することができる。これにより、さまざまな場所のさまざまなパソコンで同じ設定のアプリケーションを実行できるだけでなく、レジストリやファイルの痕跡を残さずにアプリケーションを試用できたり、ドライブの断片化を抑えられたりといった、付随的なメリットも得られる。
筆者の場合、いろいろなアプリケーションを並行して試用していることも多く、「いかにパソコンを汚さずに済むか」は常に悩みの種。どちらかといえばポータブル版の作成よりも、この「クリーンに試用できる」という点に魅力を感じてしまうほどだ。
もちろん、パッケージを作成するには1台のパソコンに正式にアプリケーションをインストールする必要があるわけで、常に100%クリーンというわけにはいかないが、そこは「Libary」を利用して、さまざまなアプリケーションを手軽に試せるというメリットが補ってくれる。特に、開発中のアプリケーションをテストするような場合には、「Cameyo」でパッケージ化したものを配布してもらえないかと切実に考えてしまった。
パッケージの作成には、インストールの前後2回にわたってスナップショットを作る必要があり、それなりに時間がかかってしまうが、作業そのものは簡単だ。
ひとつ気になるのは、アプリケーションがアップデートした場合の対応だが、ヘルプを見ると、
- バージョンナンバーが大きく上がるようなメジャーアップデートの場合は再パッケージ化
- マイナーアップデートの場合はコマンドラインオプションを使った修正
- 一部のファイルだけを変更するようなごく簡単な場合には「Package Editor」によるファイル情報の更新
という三つの方法があるようだ。多言語対応ソフトだが、いまのところ日本語はサポートされていない。基本的な操作は英語版のままでも特に問題はないのだが、上記のアップデートに関する部分や「Package Editor」の使い方は、できれば日本語による詳しい説明や実例の紹介がほしいところだ。
(福住 護)