Windows 95ではじめて登場したスタートボタンとスタートメニューは、17年間もの長きにわたり、Windowsにおけるプログラム起動ユーザインタフェースの標準として使われてきた。それが変化したのが、2012年に登場したWindows 8のスタート画面。そのスタート画面も評判の悪さのためか、あと数ヵ月で登場するWindows 10では再びスタートメニューに戻されてしまうようだ。「Pokki」は、評判が芳しくなかったWindows 8.1/8のスタート画面に代わり、Windows 7風のスタートメニューを実現するためのユーティリティだ。こうしたソフトはほかにも多数存在するが、それらの多くは、Windows 7/Vista/XPのスタートメニューの動作をWindows 8上でできるだけ忠実に再現することを目指していた。一方「Pokky」のスタンスはそれらとは異なり、使い方としては“スタートメニュー風”でありながら、スタートメニューにとどまらない、新たな機能や使い方を提案している。
標準のスタートメニューとの最大の違いは、やはり「私のお気に入り」でのプログラムアイコンの配置だろう。すべてのプログラムが縦方向に並ぶ標準のスタートメニューとは異なり、「Pokki」では縦横方向にタイル状に並ぶ次元配置。イメージとしては、Windows 8.1/8のスタート画面をスタートメニュー内に収めた印象だ。
気づいた人もいるかと思うが、スタートボタンで表示されるスタートメニュー内にプログラムの起動アイコンをタイル状に配置するのは、Windows 10のスタートメニューと同じコンセプトだ。実際「Pokki」のスタートメニューは、Windows 7というよりは、むしろまだプレビュー版ではあるが、Windows 10のスタートメニューによく似ている。大げさな言い方かもしれないが、Windows 10の機能を先取りしているといってもよいかもしれない。
基本的にはWindows 8.1/8向けのソフトであることはすでに述べた通りだが、このように標準のスタートメニューとは異なる操作性や方向性を打ち出しており、Windows 7などで使っても効果的。パソコンでの作業効率を高める意味でも、試してみるには格好のソフトだ。
(天野 司)